出入国管理及び難民認定法改正案

本案の目的:2021年に発覚したスリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさんが入管庁の管轄する収容施設内で死亡した問題を筆頭とし、それ以前、及びそれ以降に外国人に対する不適切な取り扱いが多数発覚したことを受け、同様の問題の再発防止、並びに日本国の人権意識に関する国際的信用を回復する為、本改正案を国会に提出する。

内容: 昭和二十六年政令第三百十九号 出入国管理及び難民認定法を以下の通り改正する

改正前

第一条 出入国管理及び難民認定法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする

改正後

第一条 出入国管理及び難民認定法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする。また、本条に定める目的を達成する為、本法に定められた官庁、並びに公務員は、対象となる者の基本的人権、及び日本国の法律に定める一切の権利、利益について最大限考慮し、細心の注意のもと取り扱いを行わなければならない

改正前

第二条の三の2 難民 難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)第一条の規定又は難民の地位に関する議定書第一条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいう

改正後

第二条の三の2 難民 難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)第一条の規定又は難民の地位に関する議定書第一条の規定により難民条約の適用を受ける、国連難民高等弁務官事務所による難民認定を受けた難民、をいう

改正前

第六十一条の二の3 (新設)

改正後

第六十一条の二の3 法務大臣は、本条に定める手続きを行う際、本法第二条の三の2の規定を考慮し、適切な措置を行わなくてはならない

改正前

第六十一条の二の十四の4 (新設)

改正後

第六十一条の二の十四の4 本条に定める事実の調査の結果は、法務大臣又は難民調査官によって公表され、対象となる関係人に通達されなければならない

改正前

第六十一条の七 入国者収容所又は収容場(以下「入国者収容所等」という。)に収容されている者(以下「被収容者」という。)には、入国者収容所等の保安上支障がない範囲内においてできる限りの自由が与えられなければならない

改正後

第六十一条の七 入国者収容所又は収容場(以下「入国者収容所等」という。)に収容されている者(以下「被収容者」という。)には、考えうる限り最大限の身体・精神における健康への配慮と、入国者収容所等の保安上支障がない範囲内においてできる限りの自由が与えられなければならない

改正前

第六十一条の七の4 入国者収容所長又は地方出入国在留管理局長(以下「入国者収容所長等」という。)は、入国者収容所等の保安上又は衛生上必要があると認めるときは、被収容者の身体、所持品又は衣類を検査し、及びその所持品又は衣類を領置することができる

改正後

第六十一条の七の4 入国者収容所長又は地方出入国在留管理局長(以下「入国者収容所長等」という。)は、入国者収容所等の保安上又は衛生上必要があると認めるときは、被収容者の身体、所持品又は衣類を検査し、及びその所持品又は衣類を領置することができる。但し、これらの検査は被収容者の身体的、精神的状態に十分に配慮して行われなくてはならない。また、被収容者の健康状態に対して重大な悪影響を与えうる一切の検査・領置はこれを認めない

改正前

第六十一条の七の二 法務省令で定める出入国在留管理官署に、入国者収容所等視察委員会(以下「委員会」という。)を置く

2 (新設)

2 委員会は、入国者収容所等の適正な運営に資するため、法務省令で定める担当区域内にある入国者収容所等を視察し、その運営に関し、入国者収容所長等に対して意見を述べるものとする

改正後

第六十一条の七の二 法務省令で定める出入国在留管理官署に、入国者収容所等視察委員会(以下「委員会」という。)を置く

2 委員会は、入国者収容所において、本項並びに前項以前に定める被収容者の適切な待遇の維持、並びに被収容者が日本国の法律に基づいて保有する権利の擁護を目的とする

3 委員会は、入国者収容所等の適正な運営に資するため、法務省令で定める担当区域内にある入国者収容所等を視察し、その運営に関し、法務大臣、出入国在留管理庁長官、入国者収容所長等に対して意見を述べるものとする

改正前

第六十一条の七の五 法務大臣は、毎年、委員会が入国者収容所長等に対して述べた意見及びこれを受けて入国者収容所長等が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする

改正後

第六十一条の七の五 法務大臣は、毎年、委員会が入国者収容所長等に対して述べた意見及びこれを受けて入国者収容所長等が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表しなくてはならない

改正前

第六十一の九の4 出入国在留管理庁長官は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第一号及び第二号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第三号に該当しないことについて外務大臣の確認を、それぞれ受けなければならない。

改正後

第六十一の九の4 出入国在留管理庁長官は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第一号及び第二号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第三号に該当しないことについて外務大臣の確認と許可を、それぞれ受けなければならない。

起草者:法務大臣 燃えない薪

起草日:2022年5月3日

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