著作権法等の一部の適用を停止する法律
提出者:はわのふ
目次
第一章 総則(第一条)
第二章 適用の停止(第二条―第七条)
第三章 知的財産権に関する努力(第八条・第九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、著作権(著作者人格権及び実演家人格権を含む。以下同じ。)の侵害に対する罰則の適用を停止するとともに、適用の停止に伴って必要となる諸規定を定めることを目的とする。
第二章 適用の停止
(著作権法の一部適用停止)
第二条 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第百十九条から第百二十二条まで、第百二十三条及び第百二十四条は、別に法律で定める日までの間、その適用を停止する(同法第百二十二条の二に係る場合を除く。)。
(旧著作権法の一部適用停止)
第三条 著作権法(明治三十二年三月四日法律第三十九号。以下「旧著作権法」という。)第三十七条から第四十一条まで及び第四十三条から第四十五条までは、別に法律で定める日までの間、その適用を停止する(同法第四十二条に係る場合を除く。)。
(プログラム登録特例法の一部適用停止)
第四条 別に法律で定める日までの間、プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律(昭和六十一年法律第六十五号。以下「プログラム登録特例法」という。)第六条第一項中「又は著作権法」とあるのは、「又は著作権法第百二十二条の二」とする(第二条括弧書及び前条括弧書に規定する場合を除く。)。
(弁理士法の一部適用停止)
第五条 別に法律で定める日までの間、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第八条中「、著作権法第百十九条から第百二十二条までの罪」の適用を停止する(第二条括弧書及び第三条括弧書に規定する場合を除く。)。
(著作権等管理事業法の一部適用停止)
第六条 別に法律で定める日までの間、著作権等管理事業法(平成十二年法律第百三十一号)第六条第一項について、次の各号に掲げるものは、当該の各号の通りとする(第二条括弧書及び第三条括弧書に規定する場合を除く。)。
一 同項第四号中「又は著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)」とあるのは「又は著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第百二十二条の二」とする。
二 同項第五号ホ中「、著作権法」とあるのは「、著作権法第百二十二条の二」とする。
(人の資格に係る規定の適用停止)
第七条 別の法律に定めのある、人の資格を制限する規定(第四条から前条までの規定により適用を停止されたものを除く。)は、第二条及び第三条により適用を停止された規定に係る場合においては、別に法律で定める日までの間、これを適用しない(第二条括弧書及び第三条括弧書に規定する場合を除く。)。
第三章 知的財産権に関する努力
(柔軟な権利調整環境の拡充に関する努力)
第八条 国は、著作物について、国内及び国際の別を問わず、国内外の人及び法人(団体を含む。以下同じ。)にとって利用しやすい、権利の調整環境(以下「著作プール」という。)の生成を促し、又はこの著作プールへの参加を促す措置を設ける立法を推進する。
2 前項の著作プールには、著作権等管理事業法第二条第二項の定義による著作権等管理事業に該当しない調整環境を含む。
3 前二項の規定は、特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)、実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)、意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)、半導体集積回路の回線配置に関する法律(昭和六十年法律第四十三号)、林業種苗法(昭和四十五年法律第八十九号)及び種苗法(平成十年法律第八十三号)並びに不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)の適用される知的財産に準用する。
(国際的罰則の停止又は廃止に関する努力)
第九条 国は、日本が批准した国際条約等によって求められている著作権の侵害に係る罰則について、その施行停止又は廃止に向けての努力を行うものとする。ただし、特別の法律又は政令その他の規定のある場合についてはこの限りではない。
2 著作権の管理上必要な業務の怠慢の防止又は不正な契約の防止を目的とした罰則については、前項の限りではない。
3 前二項の規定は、著作権に該当しない知的財産についても準用する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(適用及び効力に関する経過規定)
第二条 この法律の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。
2 この法律の施行によって適用の停止された規定により生じた効力は、これを妨げない。
3 前二項の規定により人の資格の制限について生じた効力は、本則第四条より第七条までの規定にかかわらず、これを妨げない。ただし、第一項又は前項の規定に基づく処罰に処せられ、その執行を終え、若しくは執行を受けることがなくなって三年を経過していない者に係る場合に限る。
4 本則第二条から第七条までによって適用を停止された規定の適用を再開する場合、その適用を再開する法律の施行前に生じた事項にはこれを適用することができない。
(事務取扱に関する経過規定)
第三条 この法律の施行の際現にこの法律による適用停止前の著作権法、旧著作権法、プログラム登録特例法、著作権等管理事業法、弁理士法、著作権等管理事業法、連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の規定によりされている手続は、この法律による適用停止後のこれらの法律の相当規定に基づく手続とみなす。
2 前項の相当の規定が存在しない場合については、なお従前の通りとする。
(国際条約等に関する特則)
第四条 次の各号に掲げるものは、本則第二条より第七条までの規定にかかわらずその適用を妨げない。
一 連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律(昭和二十七年法律第三百二号)について、次の規定
イ 同法第三条から第七条まで
ロ 著作権法(昭和四五年五月六日法律第四八号)附則第二十五条の各項
二 万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和三十一年法律第八十六号)について、次の規定
イ 同法第三条から第十一条まで
ロ 同法附則第二項
三 著作権法について、次の規定(国際条約の履行に係るものに限る。)
イ 同法第七条第五号から第八号まで
ロ 同法第八条第三号から第六号まで
ハ 同法第九条第三号及び第四号
ニ 同法第百二十一条の二第二号
ホ 著作権法の一部を改正する法律(平成元年六月二八日法律第四三号)附則第三項
2 前項の各号に掲げない法律の規定のうち国際条約の履行に必要なものについては、前項本文の規定を準用する。
-------------- 理 由 --------------
二十一世紀の情報化社会における文化及び文明の自由な発展を促すため、著作権の侵害に係る罰則等の適用を停止し、及び著作物等の知的財産に関する私人間での権利の調整を一層支援するほか、同様の政策を国際的に推進していく必要がある。
これが、この法律案を提出する理由である。
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