食品ロスの削減の推進に関する法律の一部を改正する法律
要旨#
まだ食べることができる食品が、生産、製造、販売、消費等の各段階において日常的に廃棄され、大量の食品ロスが発生している。
この改正では、食品ロスの削減のため、食べ物を無駄にしないための具体的行動を食品事業者に促すとともに、フードバンク活動の支援のため、食品寄付の障害となっている寄付者の責任について、それが免責されることを明示した。
※食品ロスの削減の推進に関する法律( https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=501AC1000000019 )
・食品ロスの削減にむけた、各種食品事業者の責務を具体的に提示し、その実施を促す。
・寄付者が、食品をフードバンク活動団体へ寄付することによる民事または刑事責任を、負わないことを明示する(善きサマリア人の法)。
※2021年7月20日衆議院提出の法案から一部加筆修正
食品ロスの削減の推進に関する法律の一部を改正する法律#
食品ロスの削減の推進に関する法律(令和元年法律第十九号)の一部を次のように改正する。
【現行】
(事業者の責務)
第五条 事業者は、その事業活動に関し、国又は地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努めるとともに、食品ロスの削減について積極的に取り組むよう努めるものとする。
【改正後】
(飲食店事業者の責務)
第五条 飲食店事業者は、その事業活動に関し、国又は地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努めるとともに、食品ロスの削減のため、次に挙げる措置を講じなければならない。
一 食品ロス削減推進の看板を目立つ場所に掲示・設置したり、従業員が消費者に必要に応じた適切な量の注文をおこなうように誘導する指示をしたりして、消費者に食品ロスの削減を思い起こさせるように努めるものとする。
二 消費者が食べられる量にあった分量を提供出来るように、小食などの異なるサイズの選択肢を提供するように努めるものとする。
三 「食べ放題」や「飲み放題」のサービスを提供する場合は、消費者に食品ロスの削減の必要性を率先して伝え、異なるサイズの食器を提供し、消費者に適切な量の料理を取るように注意を促すよう努めるものとする。
四 消費者が食べ残しをした場合に、食べ残しを消費者が持ち帰ることができるように努めるものとする。
五 出前サービスの事業者は、消費者に過剰な量の料理を注文させるといった、食品の量についての誤解を招かないように努めるものとする。
(食品販売事業者の責務)
第五条の二 スーパーマーケット、ショッピングモール、コンビニエンスストアおよびその他の食品事業者は、その事業活動に関し、国又は地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努めるとともに、販売する食品の日常的な検査を強化し、賞味期限および消費期限の近い食品の分類を管理し、販売のための特別なラベルまたは集中的な表示をおこなうことを通じて、賞味期限または消費期限切れの食品の廃棄を減らすように努めなければならない。
(食品生産者・生産事業者の責務)
第五条の三 食品の生産者および事業者は、その事業活動に関し、国又は地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努めるとともに、食品の保管、輸送および加工の条件を改善し、食品の腐敗を防止し、保管および輸送における損失を低減するための措置を講じなければならない。また、食品加工の稼働率を向上させ、過剰加工や原材料の過剰使用を回避しなければならない。
【現行】
(未利用食品等を提供するための活動の支援等)
第十九条 国及び地方公共団体は、食品関連事業者その他の者から未利用食品等まだ食べることができる食品の提供を受けて貧困、災害等により必要な食べ物を十分に入手することができない者にこれを提供するための活動が円滑に行われるよう、当該活動に係る関係者相互の連携の強化等を図るために必要な施策を講ずるものとする。
2 前項に定めるもののほか、国及び地方公共団体は、民間の団体が行う同項の活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。
3 国は、第一項の活動のための食品の提供等に伴って生ずる責任の在り方に関する調査及び検討を行うよう努めるものとする。
【改正後】
(未利用食品等を提供するための活動の支援等)
第十九条 国及び地方公共団体は、食品関連事業者その他の者から未利用食品等まだ食べることができる食品の提供を受けて貧困、災害等により必要な食べ物を十分に入手することができない者にこれを提供するための活動(以下「フードバンク活動」という。)が円滑に行われるよう、当該活動に係る関係者相互の連携の強化等を図るために必要な施策を講ずるものとする。
2 前項に定めるもののほか、国及び地方公共団体は、民間の団体が行うフードバンク活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。
3 食品関連事業者その他の者は、見かけ上問題のない未利用食品等まだ食べることができる食品を、非営利のフードバンク活動団体に寄付又は提供する場合、その食品の性質、賞味期限、包装、または状態から生じる民事または刑事責任を負わない。
ただし、自発的かつ意識的に他人の健康や福祉を害する可能性が高いことを知りながら行われた過失又は故意の、寄付者の作為又は不作為により、食品を最終的に使用した又は受け取った者が負傷又は死亡した場合には適用されない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
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